伸びる人の絶対条件

どんな人が伸びるのか。

 

 

そう訊かれたら、「自分を否定しない人」と答える。これまで長い間、さまざまな年代の人を幅広く見てきたが、自分を否定する人で伸びる人に会ったことがない。

 

 

「自分を否定する人」は、自分で生み出した自分のルールを多く持っている。自分のルールで自分を縛り、そこからはみ出した自分を嫌悪する。自己評価の低い人も同じだ。

 

 

自分を否定する。それは自分を信じていないのに等しい。自分を信じていなければ、自分の能力を引き出せない。自分の能力が引き出せなければ、伸びない。

 

 

なぜ、自分を信じることができないのか。

 

 

これは他人に否定された経験が残っているためだ。自分の世界の大きさは、成長する過程で他人によって大きな影響を受ける。たとえば、幼児の世界は親が認めた範囲で決まる。親が否定したものは「ない」ものになる。周囲の人間に認められないものも「ない」ものになる。

 

 

心の奥底にへばりつく根雪のような経験が、自分を信じようとする心を凍えさせる。自分を信じない代わりに、自分が決めたルールを信じる。時に、そのルールは他人へと向けられる。それと違う行動をする人間は「ありえなく」て「ゆるせない」存在となる。

 

 

人を認めること。それは巡り巡って、自分を認めることになる。

 

 

(了)