親子関係という「特別な」人間関係

「子育てにとって最も必要な力はなんでしょうか」

 

 

そんな質問をこれまで何度か受けたことがある。ひとことで言えば、それは「想像力」に尽きるだろう。

 

 

「親子関係も人間関係」という人がいる。だが、それは正確ではない。親子関係こそ最高度のコミュニケーションが求められる「特別な」人間関係である。

 

 

コミュニケーションで最も大切なのは、相手の立場で考える「想像力」だ。今、相手が何を考え、どんなふうに感じているのか。そうやって心を張り巡らすことが想像力の礎となる。

 

 

礎とは始まりである。「現在」の相手に思いを馳せ、心配りをすることが終点ではない。そこが始まりである。子育ての力がある親を見ていると、それを強く感じる。

 

 

親子関係は単なる人間関係とは違う。親子関係という「特別な人間関係」である。これをどのように捉えるか。それが親子関係の質を決定づける。

 

 

親とは何か。子どもとは何か。なぜ親子として、家族として在るのか。

 

 

そうした「親の哲学」が「想像力」を高めていく。対象を本当に理解したいと願うことで、人は想像力が高まる。その「本当に」は裏付けが必要だ。単によく知りたいだけでは、「本当に」理解しようとは思わない。

 

 

なぜ親子であるのか。その問いに対する答えへの渇望。そこに本当の想像力が生まれる。そうなる時、その想像力は未来へと膨らむ。

 

 

「現在」の我が子にどんな「未来」が待ち受けているのか。とすれば、「現在」に親としてできることは何か。

 

 

未来に対する想像力。それは「親子関係という特別な人間関係」だけに求められた力と言えるかもしれない。

 

 

(了)