尊敬される上司の条件とは?

仕事が楽しくなるかどうかは上司次第。

 

 

時にそんな風に言われることがある。教育スキルの立場から見ても、これには異論を挟む余地はない。部下の話に耳を傾けない威圧的な上司の元では、誰のやる気が出るだろう。

 

 

仕事はやる気と能力があって上手くいくものだ。どんなに部下が有能な人材であっても、やる気を失わせてしまえば、せっかくの能力も意味がない。近年の新人はゆとり世代で仕事ができないと批判されがちだが、実際はその能力を引き出せない上司の方が多い。

 

 

やる気と能力。やる気がなければ引き出せばよい。能力が低ければ高めればよい。上司とは部下を育てる存在だ。部下を高圧的に論破すればするほど、上司は惨めにその資格を失う。

 

 

小学校低学年を教えていると、手に負えない子どももいる。落ち着きがなく、人の話も聞かないのはざらにある。しかし、その状態は「結果」ではない。根気よく子どもと接して、信頼関係を築き上げていく。誉めるべきところは誉め、叱るべきところは叱る。そうすると、子どもは俄然やる気を出すようになる。人は認められることで、やる気が湧き出る。

 

 

その「結果」を前提として、能力を引き出していく。結果までの努力を怠ったまま、やる気のなさや能力不測を嘆いて怒鳴っても何も始まらない。まして、自分の考えを一方的に押し付ける人間は、能力の芽を踏みつぶしているのと一緒だ。会社や組織に与える損失は計り知れない。

 

 

上司と部下だけではない。先輩と後輩、教師と生徒、そして親と子。上下の関係はみな、この構図に括られる。

 

 

「下」の人間の力を疑う前に、「上」の人間は自分の教育スキルを省みる必要がある。「下」の力不足を背負う度量がなければ、あらゆる意味で「上」にはなれない。

 

 

(了)