To the mentors of the future

不透明な時代を生きるための透明な自己肯定感を得る

一流・二流・三流

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南青山の児童相談所建設問題が波紋を広げている。建設に反対している方々の言い分はさまざまだが、その中には「自分たちは一流のコミュニティに属しているのだから、自分たちも一流である」という意識も透けて見える。

 

 

何もこれは南青山に限ったことではない。日本の至るところで散見される「一流」を知らない人々が持ち出す典型的な言説であり、経済的に豊かな人々を「セレブ」と呼んで憚らない「貧しい教養」にも通脈する。

 

 

個人が目先の自己利益を追求し、合理的に振る舞うことで、その弊害が集団全体に拡散することを「社会的ジレンマ」と呼ぶ。心理学の基礎的な概念であり、人文科学と社会科学の初歩的な論説文のテーマだ。一般の教養書籍に限らず、大学受験の現代文や中学受験の国語でも頻繁に目にする。それをテーマにした絵本も少なくない。

 

 

児童相談所建設に反対する言い分には、自分たちが「一流」であることを匂わせながら、「社会的ジレンマ」すら理解していない無教養さを公然と告白しているものもある。その言動が南青山全体の「価値」を毀損し続けていることに気づかずに。

 

 

――社会的ジレンマに関する文章や書籍も多く読んできた。高校や大学の授業でも学んだ。それは十分に理解している。決して無教養ではない。

 

 

そのような反論もあるかもしれない。しかし、サルトルは「理解するとは変わることであり、自己の彼方に行くことである」と述べ、歴史家の阿部謹也氏も「わかるということは、それによって自分が変わることだ」と述べている。

 

 

いくら学んでも、それによって自分が変わらなければ、何も学んでいないことに等しく、形だけの学びに過ぎない。その認識を欠き、教養があると錯覚している無教養な人々ほど滑稽で哀れなものはない。

 

 

「経済的に豊かでさえあれば一流である」という考えには、知性と教養の点で重大な疑義が含まれているのだが、それにすら思いが及ばないとしたら、彼らの人生観はひどく貧しい。

 

 

私は高校生の頃にさまざまな書籍を読み、自分の行動規範を「一流の考え方をする人間から見て恥ずかしくないこと」に定めた。本当に物の分かった人間に囲まれたとして、彼らに評価されることを念頭に、教養や感性を高めていこうと二十代を過ごした。

 

 

教える仕事に従事して三十年近く経つ。その間、2,000人近くの幅広い世代の人々と接し、授業やカウセンリングやコンサルタントなどを含めて、50,000時間以上の対面セッションに携わってきた。その過程で、「一流の考え方」と「二流の考え方」と「三流の考え方」を分析するようになり、「一流の考え方」を持つ人々の特徴を類型化し、フィードバックするようになった。

 

 

一流の考え方は言説に表れる。それは品格と人格という二つの「格」となって、無言のうちに他者を「格下」に位置づけてしまう。たゆまず学び変化し続け、自分の「格」を高め、自分の彼方へと向かおうとする「一流の言説」がある。

 

 

「一流」を目指すのであれば、自分を変えるための教養を身につけ、それに見合った人格と品格という服を衣替えしてゆくしかない。それが二流と三流の特徴である「傲慢さ」を取り除き、一流の資質である「謙虚さ」を生み出す。

 

 

自分を変えない傲慢な人間は、尊敬の正反対側に位置している。その傲慢さが「格の低さ」に由来していると、やがて子どもや部下をはじめ周囲に知れ渡ることを思うと憐憫の情を禁じ得ない。

 

 

 

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