To the mentors of the future

全世代の「教育力」を高める教育コーチのブログ

「子育て力」という「解決力」

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子育ては「解決すべき問題」に満ちています。

 

 

 

誰かがシナリオを書いているのかと思うほど、あらゆる角度から、ときに盲点を突くように問題が投げかけてきます。

 

 

 

「よくもまあ、こんなに次から次へと」

 

 

 

半ば感心するようにあきれた経験も一度や二度ではないでしょう。しかし、問題が表で可視化できているうちは大丈夫。何も問題がない、うまくいっていると親が感じているときに危険信号が灯っています。そんなときは決まって問題が地下に潜り込んでいます。

 

 

 

問題が隠れたまま、長い時間とともに根を張り、問題だと認識したときにはすでに解決が困難な事態に陥っています。色も太さも違う複数の糸が複雑に絡み合っているだけならいいのですが、経年劣化で互いが溶け合い、一個のボールのようになってしまうと一筋縄ではいきません。

 

 

 

問題が「階層化」する前に問題を察知する。問題に気づいたら、根本的な原因を突き止めて、すぐに解決に向けて動く。

 

 

 

問題解決の基本ですね。しかし、これを実行できていると胸を張れる方はどれだけいるでしょう。忙しさにかまけて腰が重くなり、問題解決を先送りしてはいませんか?

 

 

 

一方で問題解決の方法がわからないという声もよく耳にします。

 

 

 

お金も道具も要りません。「普通に子どもと対話する」だけです。

 

 

 

「普通」というのは、ひとりの人間として子どもを扱い、感情的ならずに建設的な話し合いをすることです。どこかで子どもを「自分のもの」だと考えているとしたら、問題解決は難しいですね。その意識が温床となって、必要のない問題が増殖します。

 

 

 

そうです。問題がこじれるのではなく、「増殖する」のです。増殖した問題が階層をなして、どこから手をつけていいかわからなくなってしまうのです。

 

 

 

意地や頑固さ、思い込み。親の威厳を見せようと無駄にマウントを取ろうとすると、子どもに器を見透かされてしまいます。ひょっとして大声で怒鳴れば解決すると思っていますか?

 

 

 

子どもを萎縮させること、相手を黙らせることを「解決」だと思っているとしたら、問題増殖の温床はだいぶ整っています。何か一つ問題が起きれば、指数関数的に増えるでしょう。

 

 

 

「普通の対話」が難しいとしたら、その理由を考えてみてください。親としての謎のプライドがありませんか?だとしたら、その謎のプライドをとるか、問題解決力をとるか、その二択になりますね。

 

 

 

SNS世代の子どもたちは「親は選べない」という共通認識のもとで暮しているのをご存知ですか?

 

 

 

器の小さい親のもとに生まれることを、「親ガチャに失敗」とすら言います。見透かす術を知っている世代なのです。幸か不幸か、親を演じにくい時代になってしまいました。

 

 

 

親を演じることができない今、どうすれば解決力のある「親」になれるでしょう。親として、衣食住と教育を完備すれば、子育ての問題は解決できるのでしょうか。

 

 

 

解決力のない親は最後に「子どもの自己責任」というカード持ち出すものですが、それは堪えた方がいいですね。このカードを親子喧嘩で切れば切るほど、子どもの信頼を失います。解決力の前提は親子の信頼関係。自分の解決力が弱すぎる苛立ちから、怒りの感情をマネージメントできなくなり、子どもに当たります。

 

 

 

怒りは信頼関係を損なう最も効果的な方法のひとつです。怒ることを正当化するのはもうやめて、信頼関係を築くことができる成熟した大人を目指しませんか。それだけで、子育て問題の大半が解決します。

 

 

 

(了)