To the mentors of the future

全世代の「教育力」を高める教育コーチのブログ

塾選びと先生選び

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仕事柄、塾選びは最も多く受ける質問のひとつです。子育てライフコーチング教室で書くか、このブログで書くか迷いましたが、この機会にまとめてみようと思いました。

 

 

塾選びはお気に入りの料理店選びにも似ています。CMや広告で有名な大手チェーン店にするか、小規模ながら地域に密着した評判の高いお店を選ぶか、新進気鋭のお店を試してみるか、それとも知る人ぞ知る隠れ家の名店を探すか。塾を探す視点もこの4つに大別されると思います。

 

 

料理店にとっての「味」が塾にとっての「授業」であり、料理店にとっての「サービス」が塾にとっての「顧客対応」に当たるとします。有名チェーン店に「一定以上の品質の味」が保証されているように、多店舗展開する大手塾には「一定以上の指導力を持った先生」が在籍しているというメッセージを受け取ることができます。

 

 

塾は補助金による公的な支援はなく、常に熾烈な競争にさらされていますから、クラス担任や教科担当を任されている塾の先生方には相応の授業力や指導力があると考えられます。とりわけ顧客対応として括られる生徒指導力や保護者対応力に関しては、資質を抜きにすると経験値に比例するため、在職年数は実力を図る指標となり得るでしょう。

 

 

大手塾・地域に密着した評判の高い塾・新進気鋭の塾・隠れ家的塾。この4つに分類される地域の塾のほとんどに入塾したり、体験授業を受けさせたという保護者の方にも少なからずお会いしたことがあります。その方々の話とわたしの経験に照らしてみても、やはり塾も他の集団同様、2:6:2のパレートの法則が適用されると感じています。

 

 

2:6:2の法則とは、いかなる集団も2割の上位層・6割の中位層・2割の下位層から構成されるという法則であり、マーケティングや組織論の基本的な概念です。各々の塾の組織は別として、塾の先生という枠組みをひとつの集団とみなした場合、このような構成となっているの可能性は高いと思います。

 

 

塾選びの最優先事項を「先生」に決めたとします。そうすると、「良い先生」と子どもを出会わせるためには、「上位2割の良い先生」を見つけることから始まります。できるだけ良い先生と子どもを出会わせて、子どもの成績を上げたいと考えるのは当然のことです。

 

 

しかし、たとえ「上位2割の良い先生」を見つけても、その先生が子どもと合っているかどうかは別の話です。人間には相性がありますから、良い先生であってもどこか居心地が悪いと子どもが感じる例は少なくありません。ここに教育の難しさがあります。

 

 

最後にわたしが考える「上位2割の良い先生」の3つの基準を挙げてみます。

 

 

ひとつ目は、「人間的清潔感」があるかどうか。卑怯な言動をせず、公明正大であるということです。

 

 

ふたつ目は、他の仕事でも成功しているイメージが浮かぶかどうか。これに当てはまる先生は、コミュニケーション力も高く、論理的で、部下を育成する力も高いと考えられます。

 

 

みっつ目は、共感力が高いかどうか。子どもと保護者、双方の気持ちに寄り添える先生のことです。

 

 

塾は成績を伸ばす場所である一方、子どもの人格形成にも影響を与える場所です。そのことを念頭に置きつつ、特に小学生の保護者の方は3つの基準を参考にしながら塾選びをすることをお勧めします。

 

 

(了)