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全世代の「教育力」を高める教育コーチのブログ

【第17回 子育てライフコーチング教室】

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【質問】

 

幼児の子どもを持つ母親です。躾と押し付けの線引きがまだよくわかりません。どこからどこまでが躾で、どこからが親の期待の押し付けなのか、教えてください。

 

 

 

【回答】

 

ご質問ありがとうございます。

 

 

躾には2種類あると考えています。ひとつは、「やってはいけないこと」を教える躾。もうひとつは、「やるべきこと」を教える躾です。

 

 

「やってはいけないこと」とは、人を傷つけない、卑怯なことをしないなど、それをすることで子ども自身の人間性を低めてしまう言動を指します。

 

 

一方、「やるべきことは」とは、正直である、感謝するなど、それをすることで子ども自身に人間性を高める言動を指します。

 

 

別の角度から見ると、前者は「人から信用される」躾であり、後者は「人から信頼される」躾であるとも言えるでしょう。

 

 

このように、子どもの躾は親が「教える」ものですが、子どもの能力に関しては「引き出す」という点で決定的に異なります。

 

 

親の期待は、「自分の子どもには無限の可能性があり、子育て次第では親が思い描いたような能力を持つことができるはずだ」という前提に成り立っています。

 

 

それが成就するためには、①子どもが親が望む能力を持っていること②その能力を引き出すことという二つの条件が揃う必要があります。

 

 

子どもは文字通り、無限の可能性という表現が比喩に収まらないほど多くの可能性を持っていますが、それを有限で少ない可能性にしているのは周囲です。可能性は見出されなければ、「初めから存在しない」ことになります。

 

 

また、その可能性に気づいても引き出し方がうまくいかないと能力は開花しません。子どもの主体性を高めながら、必要であればさらに能力が開花する環境を具体的に整えます。

 

 

優れた教育は、子どもが持つ可能性を宝探しのように発見して、それを開花させます。

 

 

親の期待が子どもの主体性と自律性の境界線を超えることによって、期待は押し付けへと変わります。それはときにギフトと称される子どもの能力の発見も妨げてしまいます。

 

 

中には親の過剰な期待を上手にかわして、自力で主体性や自律性を手に入れる強靭な弾力性を持った子どももいますが、ほんの一部の子どもたちです。

 

 

能力に関しては、親が子どもを思い通りにしようとすればするほど子どもは遠ざかります。躾に関しても片手に収まるほどのルールにとどめ、状況ごとに細かくしない方がいいでしょう。細分化されたルールは、いつどこで叱られるのだろうと子どもを萎縮させるからです。それは結果として能力を見つかりにくくします。

 

 

(了)

 

 

 

 

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