To the mentors of the future

全世代の「教育力」を高める教育コーチ・企業コンサルタントのブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

人生に関わる人を選ぶたったひとつの基準

2019年も残りわずか。元号も令和に移った象徴的な一年だった。 今年も家庭から企業に至るまで多くの人と関わった。保護者や生徒はもちろんのこと、教育コンサルタントとして組織的な人材育成に参与し、社外相談役という立場で組織改革に取り組むなど、企業と…

人間的魅力を身につける大人の学び

ついこの間、年が明けたと思ったら、もう師走。 時は急ぐように過ぎていく。 小一だった生徒は高三生となって最後のセンターテストに臨む。12年間、彼はずっと素直な生徒だった。少なくともわたしの前では。 そのわかりやすい素直さゆえに、その学力が右肩上…

まなざし

先日、数年ぶりに横浜に住む恩師を訪ねた。 もうすぐ80に手が届くという年齢を感じさせない若々しさ。黒の上品なワンピースが、変わらぬ凜とした雰囲気を際立たせている。わたしの顔を見るなり、少女のように笑う。 挨拶もそこそこに、先生は英語民間試験が…

人生のストレスから自由になるには

ストレス耐性という言葉がある。不安ですぐにいらいらしてしまう。いつも悩みを抱えている。些細なことがきっかけでストレスが増幅し、ストレスに言動を左右されやすい人はストレス耐性が低い。 しかし、ストレス耐性が低い人は繊細であるとも言える。ストレ…

人は「目に見えない服装」で判断される

高校時代、私は服装が自由な男子校に通っていた。 制服と校則に縛られていた中学から一転、服装も髪型も自由。最初はその自由が嬉しくてたまらなかったが、やがて少しずつ負担になり始めた。 与えられた制服と違って、私服は自分の選択だからセンスが問われ…

「成長」に疲れた人へ

私は企業の人材育成コンサルティングも行なっている。経営者や役員に話を伺うと、人を育てる重要性の認識では一致しているのだが、企業によって認識の次元が異なるのが興味深い。 企業の業績のために社員を育てるという視点と、社員の人生のために社員を育て…

親になるための必修科目 〜これから親になる人が身につけるべきたったひとつの資質〜

私は親を対象とした子育てのコーチングやコンサルティングも行っている。コーチングは問いかけによって「答え」を見つけてもらう方法であり、コンサルティングは相手に最適化した「答え」を示す方法である。 母親ひとり・父親ひとり・夫婦揃っての三つの形態…

続・どうすれば子どもに幸せを教えることができるのか

「子どもが幸せになる」とはどういうことなのだろう。「幸せを与える」と同じことなのだろうか。親が思う「幸せ」を子どもに与えれば、本当に「子どもが本当に幸せになる」のだろうか。 その問いかけに対して、言い澱みがなく返答できるとしたら、その親は幼…

どうすれば子どもに幸せを教えることができるのか

——「幸せになる」とはそういうことでもある。 前回のブログでそう締めくくった。その「幸せになる」という感覚は子育てと強く結びつく。子育てから親のエゴを差し引くと、「子どもが幸せになる」という純粋な目的が残る。 日本には「親孝行」と「親不孝」と…

発達障害、大人と子ども

以前、とある知り合いから次のような質問を受けた。 「親戚の教員が、明らかに発達障害と思われる子どもが増えているという言うんです。先生は30年間子どもを教えていますが、どう思われますか?」 「増えていますね、確実に。同時に、大人の発達障害も増え…

VUCA時代の子育てと非認知能力

前に書店で「人は見た目が9割」というタイトルの新書を、ふと手にとった。 書籍が売れなくなって久しい。編集者が苦心して刺激的なタイトルを考え出し、売り上げに結びつける。養老孟司氏の「バカの壁」や橋本治氏の「上司は思いつきでものを言う」がそのい…

「自己肯定感」を身につけるには

あれはちょうど、時代が昭和から平成へと移りかけたときだった。留学の準備のために英語学校に通っていた私は、ニューヨークの大学院出身のネイティブスピーカーの講師から英語を教わっていた。 彼の表情は温かい知性で埋め尽くされていた。落ち着き払った仕…

人の心を動かす力

「どうあがいても論破できない現実」というのがある。 たとえば人の死がそうだ。どんなに言葉を尽くしても、人は死なないという結論を導くことはできない。 この「どうあがいても論破できない現実」は日常生活にも見られる。「好きな人が振り向いてくれない…

「#保育士さんありがとう」の代わりに

昨日、滋賀県大津市で保育園児の列に車が突っ込む、多数の死傷者が出るという痛ましい事故が発生した。 夕方、園長をはじめ運営法人の関係者が会見を開いたが、泣き崩れる園長に対し、居合わせた記者から園の過失に誘導するような質問が執拗に発せられ、正視…

回帰線

間もなく平成という時代に幕が降りる。 私が高校を卒業し、実家を離れた翌年の一月に昭和から平成へと時代は移った。 昭和天皇の崩御により世が喪に服した一週間、テレビから日常は消えた。時間を持て余していた私は、書店で村上龍の「69 sixty nine」を何気…

平成世代と令和世代に託されたもの

日本人は知的雑談力が低い。英語を母国語とする西欧の人々との会話からそれを痛感させられる。 イギリスでは単語の発音で属する階級が明らかになる。以前に知り合ったとあるビジネスマンは、一聴してそれとわかる美しいキングスイングリッシュの発音で、期待…

キラーストレスと戦う知的雑談力

私たちの身体は常に複数の「敵」の攻撃にさらされている。その敵から身を守る鎧の役割、また敵の侵入によって傷ついた部位を治癒する役割。それは免疫力の役割として広く周知されている。 その最大の敵はストレスであり、中でも「キラーストレス」と呼ばれる…

アンチエイジング

「先生、この間同窓会に行ったのですが、男子連中が急速にオヤジ化していて衝撃でした」 「先生、最近寝ても顔の疲れがとれなくて、わたし老けたなあって実感してます」 二十代後半になると、そんな話題が自然と雑談に現れる。リフトヒルと呼ばれる坂の頂上…

運が悪いと嘆く前の読書

人を動かす言葉には厚みがある。その厚みは雑談や会話や活字の中に垣間見える。 言葉の厚みと聞いて、小首を傾げる人もいるかもしれない。活字は正面からしか読み取ることができず、シールに印刷して貼り付けることができるような平面的な記号に過ぎない。そ…

おもしろくなりたい

「おもしろくなりたいです」 コーチングの受講生でひとり、口癖のようにそう語る人がいる。私は彼がおもしろくないとは思わないのだが、本人はコンプレックスにも似た感情を抱いているようだ。 どんな風におもしろくなりたいのかと尋ねても、明確な答えは返…

いい人生を楽しむ

質問には質問者の性格や考え方がそのまま投影される。質問ひとつで、質問者がどのように世界を見ているのか、どのように世界を見て来たのか、つまびらかになる。 先日、教え子と数年振りに再会を果たした。30代も半ばに差しかかろうという年齢だと聞かされ、…

「親力」の格差

先日、無事に講演会を終えることができた。演壇から一望した参加者の方々の表情には、私の発言を余すところなく吸収しようという爛々とした意志が各人の瞳に宿っていた。そこには好奇心が乱反射した子どもの光とは異なり、落ち着いた学びの意志が滲んでいた…

反抗期の話

小学生から中学生にあがる頃、反抗期が始まる。親とのいざこざが増えて、その不満を聞くという私の役割がひとつ増える。 それは今に始まったことではない。三十年近くに渡り、同じ光景がくり返されてきた。中高生だった生徒が親になり、その子どもを教えるよ…

一番手の人々は受験と勉強をこう考える

つい先日、旧知の予備校講師と会って話をする機会に恵まれた。彼は大手出版社から何冊かの問題集を出版しており、全国区の数学講師として認知されている。私が自信を持って薦めることができる数少ない一番手の講師のひとりだ。 わかりやすい授業や講義は予備…