【質問】
「子育ての自己嫌悪から抜け出す方法を教えてください」
【回答】
はい、わかりました。
自己嫌悪というのは、自分を許せない状態です。思い通りにできない自分を許せない。
この気持ちは他者にも向かいます。自分のルールに合わない他人の言動に苛立ち、許せなくなる。
他者にはもちろん子どもも含まれます。子どもはルールを学んでいる途中なのですから、親のあなたからすれば常に「ルール違反」をしている存在ですよね。
そんな我が子にカッとなって怒る。そんな自分に嫌気が差す。ごくありふれた子育ての光景です。
でも、それでいいではありませんか。
あなたの中には「理想の親」の姿があります。「理想の親」には「理想の子育て」という「理想の山」があります。その姿や登頂を満点としていつも採点していて、合格点に届かない自分を責めてしまう。
その考え方をやめるのが一番なのですが、幼少の頃から染み付いた思考習慣は体の一部になってしまっているので、皮膚を剥がすように苦痛を感じるものです。
無理に自己嫌悪から抜け出す必要はありません。そのかわり、自分を少し離れたところから眺めてみてください。
「あー、また自己嫌悪モードになってる(笑)」
微笑ましく少し笑う感じで。
やがてあなたは原因を考えるようになると思います。そうすると「理想の自分」を満点として、減点法で採点している自分に気づくはずです。
まだまだそこからもっと自分を眺め、一生懸命に減点して落ち込んでいる自分を観察し続けてみてください。
そんな自分の姿が健気でなんだか愛おしく、面白くさえ思えてくるまで。
もう「理想の親」という「登れない山」を目指すのはやめたほうがいいですね。登ったと吹聴している人は、インスタ映えする写真のように、登頂したように見せているだけです。
そもそも、その「理想の山」は知らずに刷り込まれた無言のプレッシャーであって、「子どもの成長にとって理想の山」ではないかもしれませんよね。
子育ての最大の秘訣は「心に余裕を持つ」ことにあります。「心の余裕のなさ」は自己嫌悪と親友です。「子育ての方法」ばかりに目がいきがちですが、実はそうではないのです。
うまくいったら大笑い。失敗したら苦笑い。
それでいいではありませんか。
(了)
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