起業のように新たに組織を作る際は、ひとりで行うのが最善です。しかし、実際には共同で発起人となって起業するケースは少なくありません。
また、「組織」を「二人以上で特定の目的に向かってマネジメントする体制」と定義するならば、サークルや部活やクラス、家庭も組織に含まれます。
では、どのような相手をパートナーに選べば、マネジメントがうまくいき、目的を達成することができるのでしょうか。
まず、問題解決能力です。この力がパートナーか自分のどちらかになければ組織は崩壊します。機能不全家族のように、表向き組織の体は保たれていても、実質的には止まっています。
問題解決には根本的な解決を図る原因療法とその場しのぎの対処療法があります。対処療法は問題解決の先送りであるため、いずれ組織は機能しなくなります。二人のうちどちかは、原因療法による解決能力がなくてはなりません。
とはいえ、これは問題と向き合う勇気があれば、たとえ自分が能力不足であっても、パートナー以外の周囲も力を貸してくれます。見方を変えると、対処療法は自分だけでできますが、原因療法は周囲の力を借りなくてはできません。
自分に問題解決能力がある場合、リスク回避能力があるパートナーを選ぶことによって、組織は健全に機能します。リスク回避能力とは、未来にう起こりうる複数のリスクを事前に察知して、早目に手を打っていく力です。
現在のリスクを排除する問題解決能力だとすると、未来のリスクを排除するのがリスク回避能力です。これは予知能力のような非科学的な力ではなく、知識・見識・認識が高いレベルで融合した論理的な推論です。優れたリーダーは必ずこの力を持っています。
この前提として、パートナー同士の信頼関係が構築されている必要があるのは言うまでもありません。
(了)