To the mentors of the future

全世代の「教育力」を高める教育コーチのブログ

続・大人の偏差値

学生時代は「答えのある目の前の問題数」を他者と競い合う。他者の正答数の平均値と、自分の正答数の距離。偏差値はそれが数値化されたものだ。 「目の前の問題」は「点」だ。その問題を解くことにどんな意味があり、どんな未来と繋がっているのか。そんな疑…

大人の偏差値

学生時代、偏差値を全く気にしなかったという人はどれだけいるだろう。偏差値は平均からの距離。横並びの同調圧力が強い日本において、偏差値は母集団における自分の学力的位置を確かめる手段以上の意味がある。 与えられた問題をどれだけ解けるか。その正答…

「不公正」な社会で努力する意味はあるのだろうか?

東京医大の裏口入学問題及び女子減点問題が社会に相当な衝撃を与えている。これは特定の大学に見られた特殊な事例ではなく、他の大学や、ひいては社会の至るところで行われている「不公正」の氷山の一角ではないかという疑念も急速に広がり始めている。 長年…

杉田議員の「生産性」発言をメンターの視点で読み解く

杉田議員が新潮45(8月号)に寄稿した文が波紋を呼んでいる。この問題をメンターの視点でどのように考えたらいいかという質問を受けた。 そこで改めて全文に目を通してみた。必要以上に権利を煽って社会を混乱させるリベラル系メディアに対する不信感が根底…

なぜ「紳士」は尊敬されるのか 〜直観力という紳士の条件〜

「直観力」は「紳士」にたどり着く。そのような結論が導かれるとしたら意外だろうか。 イギリスの劇作家として高名なオスカーワイルドは、かつて紳士について次のような言葉を残している。 A gentleman is one who never hurts anyone's feelings unintentio…

尊敬の条件:「直観力」という明哲さを鍛える方法

幸運にも、あなたがこれまで「明哲なリーダー」に出会っていたと仮定しよう。「明哲なリーダー」とは、あなたに「劇的な変化のきっかけ」を与えてくれた人のことだ。 それは多くの場合、会社の上司や学校の教師や先輩、または親や親類などの上下関係に見られ…

「気が合う人」は必ずしも「あなたに合う人」ではない

言葉はコミュニケーションの核心である。それは言をまたない。 言葉は情報・感情・思想の三つの層によって構成されている。表層は情報、中層は感情、深層は思想である。その三つの層がミルフィーユのように重なり合っている。その厚みは人によってちがう。 …

孤独感から自由になるシンクロ・コミュニケーション

メンターが相手と向き合う際、相手が抱える鉛のような感覚を鋭敏に察知することがあるかもしれない。後ろ向きともネガティブとも違う。美味しそうに茹で上がったパスタの中の芯の堅さにも似た感覚と表現すればいいだろうか。 日本人は完全に茹で上がったパス…

なぜ相手の心がつかめないのか 〜an example of executive coaching〜

リーダーに最も不可欠な資質とは何か。エグゼクティブコーチングの際、しばしば尋ねられる典型的な質問と言ってよい。普通のコーチングにおいても、上司や部下の関係・夫婦関係・恋愛関係・教え手と生徒の関係のように、一方がもう一方を精神的に牽引する状…

三代目の決意 〜an example of executive coaching〜

エグゼクティブコーチングの具体例について掘り下げることは、同じような問題を抱えている人々だけでなく、そのコーチャーにとっても有益である。 個別具体的な事例の中に潜む普遍性を抽出し、それを自分に当てはめる。これは問題解決能力の基本でもある。他…

「大らかな人」ほど強いのはなぜか

「大らかさ」を養う。それはHSPの人々が「高度で鋭敏な感受性」を武器とし、勝敗を至上の価値とする競争社会で「克ち残る」ために不可欠なことだ。競争社会において鈍い感性は、「鈍感力」という言葉に象徴されるように「強さ」とみなされる。手を加えない「…

あなたの情報は3つですか? それとも300ですか?

HSPの人々は言葉にとても敏感だ。この世界の尺度となる定規の目盛りを、HSPの人々は細かく刻む。メートル単位の定規しか持たない人間と、センチ単位の定規を持つ人間では、世界の見え方や感じ方はまるで違う。 メートル単位の定規しか持たない人間にとって、…

「鋭敏な強さ」を身につけるたった一つの方法

高度で鋭敏な感覚。 これは普通の人々が感じない情報を瞬時に大量に察知できることを意味する。その感覚(Highly Sensitive)を持った人(Person)はHSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれるが、その感覚を普通の感覚の人々(非HSP)に伝えることは不可能…

【HSP診断付】あなたは高度に鋭敏な感覚を持っている人ですか?

高度に鋭敏な感覚を持つ人はHSPと呼ばれる。その人々をHSPと認識して接した経験がある人ならば、次のことに気がついたかもしれない。 HSPの人々は心で考える。一方、HSPではない人々を非HSPと呼ぶならば、その人々は頭で考える。そう感じた人もいることだろ…

HSPと呼ばれる「高度に鋭敏な人々」とメンター

この世界は「鈍感な8割の人々」と「敏感な2割の人々」で構成されている。その「敏感な2割の人々」は、ある心理学者によってHSPと名付けられた。 HSPとは「Highly Sensitive Person」の頭文字を取った言葉であり、「高度に鋭敏な人々」とも「非常に敏感な…

子どもを動かす三つの重さ 〜続・なぜ「親の言葉」は軽くなってしまったのか〜

人生の問題に対する免疫力が低い人間が増えている。メンターの役割を果たしてきた人であれば、例外なくそのことに気づいているだろう。 その原因を親に求め考えを掘り下げた結果、「子育ての保育化」に行き着いた人も少なくないかもしれない。 子どもに快適…

なぜ「親の言葉」は軽くなってしまったのか

少し前、ある程度のキャリアを持つ教育関係者と話す機会があった。そのとき、ある言葉が印象に残った。 「親の言葉が軽くなったと思われませんか?」 真意を尋ねると、彼は続けた。 「自分が年齢を重ねたせいもあるでしょう。学校教育も民間教育も含めて、教…

続・「自分を変える?」「自分を変えない?」 正解はどちら?

「自分を変える? 自分を変えない?」 その質問に対する正解は一つしかない。 「自分を変えてはいけないし、自分を変えなくてはならない」 どの自分を変えて、どの自分を変えないか。 問題は「どの」の部分であって、「変える・変えない」の問題ではない。メ…

「自分を変える?」「自分を変えない?」 正解はどちら?

よく自分を変えろと言われますよね? 自分を変えることが成長への大前提となってますよね? でも本当にそうなのでしょうか? 自分を変えずに貫くことが大事だという人もいます。 自分を変える。自分を変えない。どちらが正解なのでしょうか。 * * * メン…

メンターにとって必要不可欠な視点

「どんな人をメンターと呼ぶのですか?」 そんな質問を受けることがある。 メンターは先生のようであり、コーチのようであり、よき理解者のようであり、ロールモデルのようでもある。 メンターは教え、ときには教えない。引き出し、与え、示唆し、鼓舞し、共…

留学や起業を考えているみなさんへ

日本の学生は内向きで安定志向が強いと言われるが、それは意外にステロタイプだったりもする。 留学と起業に関心を示す学生や社会人は一定数の割合で存在する。彼らの目にこのふたつは「冒険」の象徴と映るようだ。 僕は留学と起業のどちらも経験している。 …

本当に人から尊敬される人

質問力という言葉を初めて聞いたとき、「あ、うまい言葉だな」と思った。 質問の内容でその人のセンスがわかる。もっと正確にいうと、その人がどんなフェーズにいて、どこに向かおうとしているのか。それが手に取るようにわかる。 その意味で、質問というの…

「挫折」という強さ

以前、現代文の授業をしていたときに、 「よく耳にするけど、実はよく意味がわからない言葉ってある?」 と生徒に尋ねたことがある。 するとある生徒から、「実は」という前置きとともに、 「『知性的』の意味が未だによくわかりません。知性的ってどういう…

purest

I’m the happiest. と I’m happiest. 見慣れない文だが、いずれも「私は最も幸せだ」という意味を表す。 一方にはtheがあり、一方にはない。この二つの意味の違いを正確に答えることができたら、ある程度以上の英語力を有している証拠だ。 本来、英語の最上…

時間のコロケーション

「私は姉をひとり持っています」 そう言われたら、思わず相手の顔を見てしまうかもしれない。日本人なら「私には姉がいる」というはずで、「姉を持つ」というのは不自然な日本語のつながりだからだ。 逆の立場でも同じことが言える。日本人が英語で「強い雨…

大きな二センチ

勉強のいいところは、レベルアップを実感できる点だ。 ある単元がわからない。あれこれ勉強して、それができるようになる。これで以前の自分よりも前進したと実感できる。 勉強は「できない自分」との対面でもある。だから勉強は苦痛に感じる。常に「できな…

心の復讐

人は自分の経験に縛られている。気づかないうちに、がんじがらめになっている。 ある意味、学ぶとは、自分の経験を薄めることと言い換えられるだろう。自分の経験を薄めることによって、普遍性を持たせる。 とりわけ、自分の成功体験は自分だけでなく、他者…

いじめの問題に思う

いじめの問題が後を絶たない。 子どもの話題ばかりがクローズアップされるが、いじめは社会の至るところにはびこっている。いじめとは品性の欠損であり、それは年齢を選ばない。 品性というと上品な立ち振る舞いや優雅さを思いつくが、必ずしもそうではない…

「頑張らなくちゃ」と思っている人へ

頑張らなくていい。 そんなフレーズを頻繁に耳にするようになった。頑張り過ぎて心身に不調をきたす人が増えているため、バランスを取ろうとする動きに結びついている。 なぜ頑張るのだろうか。 もちろん人それぞれに理由があるだろう。しかし、教育的な視点…

生き方の「答え合わせ」をしてくれる人が身近にいますか?

正確無比な球形を真球という。 真球は自然界には存在しない。観念の中で静止し続けるだけで、実在しない。だが、球体を作ろうとするとき、誰もが真球を手本にする。 触ったことも見たこともない真球をイメージするには、そうさせるだけの球体に触れる必要が…