To the mentors of the future

全世代の「教育力」を高める教育コーチのブログ

仕事がうまくいく最高の考え方

「先生は仕事を楽しんでいますか」 以前、社会人の教え子からそんなことを尋ねられたことがある。聞けば仕事にやりがいを見出せず、暗中模索の状態だった。 そもそも仕事にやりがいや楽しさを求めるのが間違っている。そんな社会人の先輩の話に気持ちを揺さ…

変化できる人が持つ「綱渡り」の技術

綱渡りをするときは、両腕を広げてバランスを取る。 右腕と左腕を翼のように水平に広げ、よろめく身体を小刻みに立て直しながら、一歩ずつ前に進んでいく。 右腕がプラスであれば、左腕はマイナス。符合は異なれど、同じ絶対値を持つ。原点が胴体であるとす…

「教育の成功」とは何か

教育の成功とは何か。 改まって問われるならば、人間的魅力のある人間に育て上げることと答えたい。 魅力とは他者を惹きつける力である。一人では困難な作業でも、複数の人間が力を合わせれば早く終えることができる。一方通行の限られた時間は、自分一人で…

卒業

卒業シーズンが間もなく到来する。 卒業は区切りでもある。それは場の区切り、時の区切り、心の区切りに分けられるかもしれない。 場の区切りとは慣れ親しんだ場を去ることだ。既知の場所から未知の場所へ動く。最も変化を感じさせる区切りだ。 時の区切りと…

自分を成長させる目標の立て方

新しい年の始まりは胸躍る。また新しい目標に出会う予感に満ちている。 目指すべき標を目標と呼ぶ。人が標を自ら立てる理由は、そこまでの道程を豊かなものにするためだろう。 刻一刻と過ぎ去る時間を少しでも豊かにしたい。その願いはいつの時代も止むこと…

壁を乗り越えられる人の共通点

時間は貨物列車のようだと思う。 それぞれのコンテナがつながり一両の列車を構成している。列車の最後尾は過去で、先頭は未来。過去から未来の時間が一続きとなって前に進んでいる。 次のコンテナから次のコンテナへ。経験するということは区切られた時空間…

最もシンプルで最も大切な子育てルール

自分を知る。我が子を知る。 それはこの世界で最も難しい知のひとつだろう。 自分や我が子に合わないものは合わない。アレルギー食品を食べられないように、努力で超えられるものではない。 その至ってシンプルな結論を、人は時に無視する。 それは人が自然…

グランブルー

人は一生のうちにどれだけの人と向き合うのだろうか。 出会い関わる人間は数知れずとも、真正面から向き合った人間は多くはないだろう。5人の顔が咄嗟に浮かんだ人は、意識して人と向き合ってきたと断言しても構わない。 広く浅くつながることができる時代。…

99の方法論・1つの方法論

「画竜点睛を欠く」という諺がある。 かつて中国に張という絵の名人がいた。彼が安楽寺の壁に竜の絵を描いて、最後に瞳を描き入れたところ昇天したという。「睛」は瞳を意味している。瞳を描くことで竜に魂が宿った。 「魂」とは何か。この答えは各人の世界…

「ぶれない」という本当の意味を知っていますか?

頭からつま先まで、自分ひとりがすっぽり入れる巨大な風船があるとしよう。誰もがその中に入っている。それを「自分の世界」と呼ぶ。 人の数だけ世界はある。この地球上には70億の人がいる。だから70億の「多くの世界」がある。一方、この地球上に存在する全…

一年後の自分の位置を見つけよう

一次関数の傾きは、二点を直線でつないで求める。 傾きと切片が分かれば、一次関数の式は出る。 人の歩みは一次関数そのものだ。 一年前の自分の座標と、現在の自分の座標の二点を直線で結んでみる。 それが自分の「傾き」だ。 自分の力ではどうしようもない…

不誠実な人間を遮断する

コミュニケーションを自ら遮断する。 その選択に迫られる時がある。不誠実な人間と対峙した時だ。 不誠実な人間に出くわすと、「誠実であること」を怖れてしまう。相手に向けた誠実さを逆手に取られ、利用されるリスクにさらされる。そうすると、コミュニケ…

受験生が知るべきたった一つのこと

今年も間もなく終わる。だが、受験生にとっては、何も終わらない。 年明けから次々と始まる受験に、ひとつの結果が出るまでは、何も終わらない。 合格か不合格か。それが分かるまで、何も終わらない。 合格可能性を高める。受験で度々用いられる表現だ。そこ…

大人と子どもの共通点を知ると子育てがうまくいく

相手を理解するには、その違いと共通点を認識するのが手っ取り早い。 大人と子どもの違いは何か。それはいくらでも挙げられるだろう。 それでは、大人と子どもの共通点は何か。 それは「未熟さ」である。 大人も子どもも、ともに未熟である。未熟さの質が異…

聡明な人ほど叱られ方がうまい

上手な叱り方。 最近、そんなフレーズを目にする機会が増えた。確かに、叱り方ひとつで、人の伸びしろは引き出される。 自分の正しさを一方的に押し付けたり、感情的に怒鳴るのは「叱る」ことではない。相手の未来を考えて、強く諭すこと。それが「叱る」こ…

先が見えないときにすべきこと

先が見えない時がある。 手応えのない毎日。今日が繋がる日が見えない。茫漠とした日々が、いたずらに過ぎてゆくように感じる。 勉強・仕事・恋愛・結婚・子育て。この状況を打開したいと思う。何か特別な方法を知りたくなる。 この世界のどこかにもっと効果…

一流は本当の「得」を知っている

損か得か。 広い意味でも狭い意味でも、人は損得で物事を判断する。それは昔から変わりはない。 人間関係ひとつをとってもそうだ。ある人との付き合いが、自分にとって有益であるか否かで判断する。トラブルを招く人間関係を自ずと避けるのは、「損得」の判…

100%を求める人ほど失敗する

例えば、100の力を出さないといけない状況があるとしよう。仕事でも勉強でも構わない。どうすればいいだろう。 「簡単なことさ。100の力を身につければいいだけだ」 確かにそれは正論に聞こえるかもしれない。しかし、現実はそれを許さないだろう。なぜなら…

「人を育てる才能」の簡単な見分けかた

プロセスを見ない人がいる。 発展途上の相手であっても、結果だけで判断する人がいる。これが上下関係の「上」の人間であった場合、「下」の人間の成長は止まる。少なくとも、「上」の人間によって育てられることはない。 上司に対する部下。親に対する子ど…

時を加速させる(10)〜貫くための変化〜

(前号からのつづき) 受験に象徴されるような学習戦略をデザインするには、対照的な二つの視点を持ち合わせる必要がある。 主観と客観。ミクロとマクロ。遠視と近視。過去と未来。 両極端の視点をバランス良く自分の中に抱える。片方の視点で見えたことを、…

時を加速させる(9)〜戦略的デザイン〜

(前号からのつづき) 四つの視点のうち、最後はストラテジック(strategic)な視点について書きたい。 ストラテジックとは「戦略的」という意味である。勉強、特に受験においては戦略的な視点は欠かせない。 戦略的視点とは監督の視点とも言えるだろう。現…

時を加速させる(8)〜人として一流〜

(前号からのつづき) プラクティカルな知識とは、実用的な知識である。それは「実人生に役立つ」知識であり、「自分の人生を自分のものにするために役立つ」知識を指す。 知識は様々なカテゴリに分類されうる。一般常識もあれば、仕事に必要な専門分野の知…

時を加速させる(7)〜無駄な知識〜

(前号からのつづき) アカデミックな知識は「無数の世界」の存在を実感させる。次は、そこに散らばる知識をプラクティカル(practical)に変える必要がある。「学力」にはそのプロセスも含まれる。 プラクティカルとは「実用的」と訳される。それは「実人生…

時を加速させる(6)〜インスパイアと無数の世界〜

(前号からのつづき) 良い授業は良書である。良書が伝えるのは情報ではない。良書は厚みのある行間を伴い、読み手をインスパイアする。 インスパイア[inspire]は「鼓舞する」「吹き込む」と訳されるが、完全に一致する日本語はない。インスパイアの名詞形…

時を加速させる(5)〜良書と行間〜

(前号からのつづき) キリンの外形だけを知っている子どもが作った粘土像と、キリンの構造や生態までも知っている子どもが作った粘土像にいかなる違いがあるのだろうか。 全体像を知っている人間がその中から選んで伝えることと、それしか知らない人間がそ…

時を加速させる(4)〜キリンの粘土像〜

(前号からのつづき) キリンを知らない子どもが「キリンの粘土像」を作る場面を想像して欲しい。 その子どもはキリンのことを知らないので、誰かにキリンのことを教わる必要がある。そこで「キリンのことを教える人」が「キリンのことを知らない子ども」の…

時を加速させる(3)〜シーソーと時間〜

(前号からのつづき) バランスはシーソーと同じで支点がある。家庭でバランスを取る体制になっていたとしても、その支点をどこに置くかで子育ては変わってくる。ここで初めて、子育てを運用する哲学から、子育ての内容の哲学へとシフトする。 例えば、困っ…

時を加速させる(2)〜監督とコーチと子育て〜

(前号からのつづき) 最初は哲学的(philosophical)な視点について書いてみたい。 子育ては親の哲学ありき。哲学なき教育は「単なる訓練」であり、哲学なき受験は「単なる競争」に過ぎない。 「単なる訓練」と「単なる競争」は場当たり的な結果だけを求め…

時を加速させる(1)〜4つの視点〜

授業とは、ある意味「時を加速させる」特殊な時空間と言えるかもしれない。 その時空間で、先生と生徒という関係性に基づき、生徒が先生から学ぶ。その関係が成立しなければ、授業とは呼べない。 学ぶとは「知らないことを知る」ことだ。先生と生徒という関…

成功体験の罠

成功の壁となるのは、過去の成功体験であることが多い。 私が会社を経営していた頃、何度かこの「成功体験の罠」に陥った。一度上手くいったやり方にしがみついてしまい、同じ方法を採ってしまうのだ。 ある方法の考え方が正しいからと言って、必ずしも通用…