To the mentors of the future

全世代の「教育力」を高める教育コーチのブログ

「自分に合った現実」を生きる

現実の対義語は理想です。心身の健康を保ちながら生きるためには、その二つのバランスの取りかたも大切です。 しかし、現実に対応するのが精一杯で、理想を描く余裕すらない人も多いことでしょう。 自分に合った理想を探すことができなければ、自分に合った…

ウクライナ危機が子育てに及ぼす影響

連日、映画と見紛うようなウクライナ侵略戦争の報道がなされています。ここにきて、「ジェノサイド」と呼ばざるを得ない予想もしなかった現実があらわになりました。 本来、戦争とは軍と軍の戦いであり、民間人を巻き込むことは許されません。戦争にもルール…

自分自身を子どもに語るという自己肯定感

今、自分がいる時間。未来、自分がいる時間。 未来が今よりずっと高いところにあるとすれば、今と未来をつなぐ線は坂道のような線になります。 自分は坂道の上に立っている。その坂を上るために自分を奮い立たせなければ、頑張らなければ。そうやって無理や…

生きづらさと確かなもの

すこし前、子どもの不登校が増加しているという記事に目を通しました。「生きづらさの低年齢化」と呼ばれるような現象が広がっており、小学生でも同級生や教師との人間関係に悩み、生きづらさを感じる子どもが増えているとのことでした。 「生きづらさ」とい…

生産的共感

五臓六腑に染み渡るように納得する。それを「腑に落ちる」と表現するならば、それが「理解の最終形態」なのでしょうか。 近年、共感の重要性が注目されています。企業研修を行う際、わたしは共感について必ず触れるようにしています。今や共感なしにマネージ…

主体的に生きる時間

主体的に生きるとは、自分の意志に従って生きることです。しかし、自分の中には「二人の自分」がいます。 ひとりは価値観から指示される自分。もうひとりは、ありのままの自分。どちらの意志に従うかによって、主体的に生きるという意味は180度変わります。 …

大人の人間的成長は子どもの学力的成長に等しい

昨年は企業のコンサルティングや管理者研修、個別コーチングの機会がさらに増えた年となりました。気づけば「成長の仕方を教える仕事」として、幅広い年代や属性の人々と関わる機会が多い一年でした。 その中には、起業を考えている人々も少なからず含まれて…

【第17回 子育てライフコーチング教室】

【質問】 幼児の子どもを持つ母親です。躾と押し付けの線引きがまだよくわかりません。どこからどこまでが躾で、どこからが親の期待の押し付けなのか、教えてください。 【回答】 ご質問ありがとうございます。 躾には2種類あると考えています。ひとつは、「…

子どもの躾と大人の思い込み

現代の子どもたちは、生まれたときからスケジュールに追われています。戦後の高度成長以降に都市部で育った親もそこに含まれるとすれば、幅広い世代がスケジュールとともに育ってきたと言えるでしょう。 定められたスケジュールをこなしている毎日の繰り返し…

礼儀という盲点

正論はいわば自分の限界とも言えるでしょう。 自分に関心があることだけを掘り下げるのに意識と時間の大半を費やし、他者が考えていることに想像力を巡らせなかったことで、自分自身の正論によって縛られてしまっている。ある角度からはそのように見えます。…

昭和型学力の終焉

ーー学力とは学ぶ力。学校時代の成績を上げるためだけの力ではなく、仕事のスキルを高め、組織をマネジメントし、社員を教育する力。より円滑な日常を送るための知識を得る力。より善い人生とするために、経験から教訓を得る力。 人生100年時代への突入とと…

人を大切にする感覚

今年の3月31日、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案」が参議院本会議で可決され、成立しました。 この法律によって、クラス人数は5年間かけて計画的に40人から35人に引き下げられることになりました。約…

塾選びと先生選び

仕事柄、塾選びは最も多く受ける質問のひとつです。子育てライフコーチング教室で書くか、このブログで書くか迷いましたが、この機会にまとめてみようと思いました。 塾選びはお気に入りの料理店選びにも似ています。CMや広告で有名な大手チェーン店にするか…

【第16回 子育てライフコーチング教室】~「子どもへの『怒り方』を教えてください」~

【質問】 「子どもへの『怒り方』を教えてください」 【回答】 ご質問ありがとうございます。 喜怒哀楽は人間の基本的な感情ですから、怒りを取り除くことはできないと思います。特別な修行によってできる方もいらっしゃるかもしれませんが、例外です。 そう…

心が身軽な自分

「あなたはどんなふうになりたいですか?」 その質問に即座に答えられる人は思いのほか多くありません。しかし、 「あなたはどんなふうになりたくないですか?」 という質問に対してはすらすら言葉が口をつくのではないでしょうか。 先の読めない時代、従来…

【第15回 子育てライフコーチング教室】~「子どもと心の距離が開かないようにするためにはどうしたらいいでしょうか」~

【質問】 「はじめまして。小学2年生の子どもを持つ母親です。子どもが小さいときは親の言うことをよく聞いていたのに、大きくなるにつれて距離が開き、成人しても変わらないという話をあちこちで耳にします。そうならないために、これから一番気をつけるこ…

人間関係が楽しくなる・日本人向けコーチング入門講座(3)

「人間関係が楽しくなる」ために必要なことを探していくと、「温かさ」であるというシンプルな解答に行き着きます。 温かい表情や態度には正論ほどの説得力はありませんが、共感力に満ちています。この共感力と人間関係の楽しさは密接に結びついています。 …

人間関係が楽しくなる・日本人向けコーチング入門講座(2)

前回、コーチングは海外から輸入したマネージメントの新しい方法論であると書きました。 しかし、日本には「コーチング」のようなことができる人が存在しなかったのかと言うと、そんなことはありません。むしろ昔の人の方が「コーチング」が上手だったのでは…

人間関係が楽しくなる・日本人向けコーチング入門講座(1)

最近、「コーチングを指導して欲しい」という依頼が増えました。ビジネスとスポーツを入り口としてコーチングという考え方が輸入され、教育や子育てにも浸透してきたようです。 特に企業の管理職においてはメンター制度と同様、コーチングスキルの導入が進ん…

なぜあなたは部下を動かせないのか

自分の気持ちを言葉にすることを言語化と呼びます。日々たまる不安や不満を言葉に置き換えることによって、体の外へ捨てる。黙って相手に話を聞いてもらうだけで気持ちがすっきりするのはこういうわけです。 しかし、すべての感情が言葉に置き換えられるとは…

【第14回 子育てライフコーチング教室】~「勉強は『子どもの仕事』ですか?」~

【質問】 「勉強は『子どもの仕事』ですか?」 【回答】 ご質問ありがとうございます。 「勉強は子どもの仕事」という表現は、誰しも一度は耳にします。子どもに勉強の必要性を説く際に、この言い回しを好んで使う方もおられるかもしれません。 ーー大人にと…

教育虐待とならないために

* * * 「それ教育虐待だよ」 子どもが親に冷たい目を向ける。親は頭に血が上り、思わず声を荒げてしまう。 「それはただの虐待」 冷たい宣告が響き、親はそれ以上何も言えずに黙り込む。 * * * ここ最近、教育虐待が注目されています。体罰と虐待、そ…

【第13回 子育てライフコーチング教室】~「競争心を煽る子育ては正しいのでしょうか?」~

【質問】 「競争心を煽る子育ては正しいのでしょうか?」 【回答】 ご質問ありがとうございます。この質問に答える前に、まず「正しい」という意味について確認させて頂ければと思います。 この場合の「正しい」は「子育ての道理にかなっている」と定義しま…

【第12回 子育てライフコーチング教室】~「子育て成功体験記をたくさん読めば、子育てはうまくいきますか?」~

【質問】 「子育て成功体験記をたくさん読めば、子育てはうまくいきますか?」 【回答】 「子育て成功体験記」は巷に溢れていますが、読み物程度の感覚で接するのがいいでしょう。筆者の子どもに合った子育て方法であったとしても、読者の子どもに合った方法…

【第11回 子育てライフコーチング教室】~「勉強のご褒美として子どもに物を買い与えるのは良いことですか?」~

【質問】 「勉強のご褒美として子どもに物を買い与えるのは良いことですか?」 【回答】 これは状況によります。勉強のご褒美として物を買い与えるのは良くないという意見も根強いですが、わたしは必ずしもそうは思いません。 子どもに限らず、モチベーショ…

希望

どんな経験にもネガティヴな面とポジティブな面が含まれています。 たとえば、受験の結果が不合格だったとしましょう。それを知ったときは、どうしてもネガティヴな感情が湧き起こります。一生懸命頑張ってきたのならなおさらのこと。その事実を受け入れるの…

響く言葉

今、学術分野やビジネスの分野を中心に、ポストコロナ時代やAI時代を生きる上で必要な力が次々と提示されています。その中心に居座るのはコミュニケーション能力であるのは周知の事実。今、教育や企業も有為な人材を育成し、採用するにあたり、コミュニケー…

ポストコロナ時代のメンター

新型コロナウイルスのパンデミックは、第二次世界大戦と肩を並べるほどの重大な歴史的事件として世界史に刻まれるのは間違いありません。今なお、わたしたちは現在進行形で「歴史の証人」であると自覚できる時間にいます。 いずれワクチンや特効薬によって新…

【第10回 子育てライフコーチング教室】~「コロナ禍は子育てにどんな影響を与えますか」~

【質問】 「コロナ禍は子育てにどんな影響を与えますか」 【回答】 はい、ひとことで言えば、「子育てをわからなくさせる」という影響を与えます。 少し構造的な話をしましょう。 戦後、日本の経済成長を支えてきた太い柱は終身雇用制度でした。母親である専…

「子育て力」という「解決力」

子育ては「解決すべき問題」に満ちています。 誰かがシナリオを書いているのかと思うほど、あらゆる角度から、ときに盲点を突くように問題が投げかけてきます。 「よくもまあ、こんなに次から次へと」 半ば感心するようにあきれた経験も一度や二度ではないで…